資料:日本語版PIRK: 就学前児向け行動査定リスト

 

 

日本語版PIRKについてQ&A

PIRK(パーク)って何ですか?
A:Preschool Inventory of Repertories for Kindergarten の略称で、ニューヨークにあるフレッド・ケラースクールという学校で使われている、就学前児童のための行動査定チェックリストです。ここではオリジナル版を翻訳するとともに、課題の例をできるだけ入れました。また、専門用語を避け、一般的な日本語で記述するようにしました。オリジナルには、「Acorn Magic Readers」や「Edmark」「SRA Reading」など、市販の教材を使った査定もあります。残念ながら、これらの教材は日本で入手不可能なので、ここでは項目ごと省いてあります。

フレッド・ケラースクールってどんな学校ですか?
A:応用行動分析学に基づいた障害児教育を行っている学校です。発達の遅れや「障害」を、子どもたちの問題ではなく、子どもたちがまだ学習していない行動、あるいは間違って学習してしまった行動ととらえ、学習環境を整えることで支援して成果を上げている学校です。詳しくは訪問レポートをご覧下さい。

PIRKと他の、一般的なテストとは、どう違うのですか?
一般的なテスト(たとえば、田中ビネーなど)の目的は、子どもの発達の度合いを、その子どもと同じくらいの年齢の他の子どもたちの得点と比較するのが目的です。これに対し、PIRKの目的は、その子どもが小学校に入学したときに適応していくための行動レパートリーのうち、すでにどれが学ばれていて、どれが学ばれていないかを調べることです。他の子どもとの比較は目的ではありません。また、一般的なテストでは知能や能力といった、行動の原因を推定して、それを測ろうとします。PIRKは、行動そのものを測定し、知能や能力などの存在を仮定しません。これは行動分析学の考え方で、行動の原因の多くは知能や能力ではなく、環境にあると考えるのです。

遺伝とか、神経生理的な原因は考えないのですか?
もちろん、行動には遺伝要因も、神経生理学的な要因も関係しています。ただ、これらの要因を教育場面で操作することはほとんど困難であると言っていいでしょう。学校でできることは、現在の行動と環境の関係を工夫して、学習をできるだけ促進することです。

チェックリストはどう使うのですか?
ケラースクールでは、教師にこのチェックリストの使い方をトレーニングするプログラムが用意されています。査定には、教材や記録用紙、記録方法のマニュアルなど、まだ他にもいろいろなものが必要です。これらすべてを日本語にするのはたいへんなので、今回はチェックリストだけを翻訳しました。実際には、チェックリストは次のように使われています。



1.子どもが入学すると2-3日かけて初回の査定を行います。その時点での子どもの「全体像」を知るのが目的です。
2.査定は、主に、子どもの行動の直接観察によって実施します。
3.チェックリストの初回欄に観察結果を記入します。
4.チェックリストの目標欄と観察結果を照らし合わせると、その子どもがすでに学習している行動と学習していない行動がわかります。そこで、それぞれの子どもに対する個別教育プログラムを作成します。これが、アメリカでは法律で定められたIEP(Individual Educational Plan)になります。
5.学校の日課の中で、個別教育プログラムを実施していき、子どもが学習した行動レパートリーについては、その都度、チェックリストの経過欄に記入していきます。
6.全体的な査定を、卒業するまでに数回繰り返します。この結果についても経過欄に記入します。
7.卒業時に、最終的な査定を実施します。これを最終欄に記入します。
8.初回欄と最終欄を較べ、子どもが在学中に何をどれだけ学習したか評価します。ちなみに、これは子どもの評価ではなく、学校がどれだけの教育サービスを提供できたかを示す、学校についての評価になります。



査定の結果などは公開されているのですか?
ケラースクールでは、すべてのデータとその見方が親に伝えられます。親はいつでも学校に来て、今、自分の子どもが何を学習しているか、どんな進み具合か、知ることができます。


教師にとっては、たいへんな仕事だし、プレッシャーがかかるのではないですか?
確かにたいへんな仕事です。しかし、ケラースクールでは、PIRKのそれぞれの査定項目に対応した個別教育プログラムが開発されています。教師には、どんな教材で、どのように教えればよいか、学習が進まないときにはどうすればよいかなど、教育に必要な情報が豊富に与えられています。教師に対する指導もプログラム化されているのです。したがって、たいへんな仕事ですが、やりがいがあり、努力すればそのぶん報われる仕組みになっているのです。こうした教師のマネジメントにも行動分析学の考え方が活かされています。


アメリカでうまくいっているから日本でもうまくいくとは限らないのでは?
その通りです。行動の原理は万国共通でも、行動の原理をいかに実践に活かしていくかは、それぞれの文化や価値によって異なると思います。今回、チェックリストを翻訳するさいにも、単なる直訳ではなく、できるだけ日本の学校で使えるように、意訳したり、内容を変えたり、項目を追加したりしています。ぜひ、このチェックリストを使ってみて、うまくいったかどうか、どこに改善が必要か、お知らせ下さい。


注意:レイアウト上の制限のため、初回、経過、最終の欄の幅は狭く設定しています。実際にお使いになるさいには、必要に応じてカスタマイズして下さい。

 

日本語版PIRK

社会的スキル
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 大人と適切に接触できる(大人が嫌がらないように)
 例:握手する、だっこをせがむ
4/5回以上      
2 他の子どもに適切に接触できる(子どもが嫌がらないように)
 例:手をつなぐ
4/5回以上      
3 他の子供たちから1.5mくらい離れたところでも、他の子どもたちやクラスを妨害せずに遊んでいられる 5分間以上      
4 教師の指示の下で、他の子どもたちと一緒に遊べる 5分間以上      
5 他の子どもと一緒に、交替しながら遊べる 5分間以上      
6 自由時間に、他の子どもとおもちゃや本を分かち合って遊べる 5分間以上      
7 教師が集団指導しているとき、静かに座って、適切な方向に視線を向けていられる 5分間以上      
8 教師が集団指導しているとき、静かに座って、適切な方向に視線を向け、教師の質問に答えようとすることができる。 5分間以上      
9 自由時間に、他の子どもと仲良く話せる 5分間以上      
10 動いているものを目で追える
 例:「これ見て」と言って子どもの目の前でボールを動かす→ボールを目で追う
4/5回以上      
11 大人が話しかけたときに、1秒以内に視線を合わせ、そのまま1秒以上、保持する 4/5回以上      
12 他の子どもが話しかけたときに、1秒以内に視線を合わせ、そのまま1秒以上、保持する 4/5回以上      
13 教師の指示で、手を膝におき、前方を見て静かに座り、その姿勢を10秒以上保持する 4/5回以上      
14 以下の不適応な行動を行わない
 (1)常同行動
 (2)自傷行動
 (3)不自然な姿勢
 (4)不適切な攻撃行動(身体で)
 (5)不適切な攻撃行動(言葉で)
 (6)その場に不適切な言語行動
1回/日以下      
15 教師や校長などに対して適切にふるまえる 1日ずっと      
16 物を大切に扱える 1日ずっと      
17 他の子どもが物を大切に扱わないときに注意できる
 例:他の子どもがクレヨンを壁に投げる→「やめなよ」
4/5回以上      

生活スキル
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 お喋りしたり、他の子どもを押しのけたり妨害せずに、列に並べる 4/5回以上      
2 お喋りしたり、他の子どもを押しのけたり妨害せずに、列をつくったまま歩ける 4/5回以上      
3 教師に何か頼むとき、手を挙げてから話す 4/5回以上      
4 授業中など、教師の指示に従っているときに、クラスのきまりに従って行動できる 5分間以上      
5 自由時間でもクラスのきまりに従って行動できる 5分間以上      
6 トイレに行きたいと意思表示できる 4/5回以上      
7 おもらしをしない 1回/日以下      
8 トイレの時間を知らせるプロンプトにしたがって、トイレに行き、時間通りに帰ってこれる 4/5回以上      
9 トイレで
 (1)プロンプトなしで流せる
 (2)プロンプトなしでトイレットペーパーを使える
 (3)プロンプトなしで手を洗い、タオルでふける
4/5回以上      
10 指示に従って、他の子どもと手をつなげる 4/5回以上      
11 指示に従って、道具やおもちゃを片づけ、掃除を手伝える 4/5回以上      
12 必要なときには、他の子どもの邪魔をしないで、床に座っていられる 5分間以上      
13 指示されたとき、他の子どもの邪魔をしないで、すぐに、次の活動を始めたり、違う場所へ移動できる 4/5回以上      
14 授業中、タイムアウトや反応コストを必要としない 4週間以上      
15 他の子どもにけんかをしかけられたときなど、大人の助けが必要なときに、教師に助けを求められる 4/5回以上      
16 他の子どもの不適切な行動を無視できる 4/5回以上      


  査定項目 目標 初回 経過 最終
17 自分一人で
 (1)上着を着たり、脱いだりできる
 (2)上着をハンガーにかけらえる
 (3)手袋を着たり、脱いだりできる
 (4)帽子を着たり、脱いだりできる
 (5)ジッパーを上げたり、下げたりできる
 (6)ボタンをとめたり、はずしたりできる
 (7)靴を脱いだり、はいたりできる
4/5回以上      
18 鼻をかめる 4/5回以上      
19 スプーン/フォークを使って食事ができる 4/5回以上      
20 お箸を使って食事ができる 4/5回以上      
21 指を使って食事ができる
 例:パンをちぎる、バナナの皮をむく
4/5回以上      
22 噛んだものを飲み込んでから、次の食べ物を口へ運ぶ 4/5回以上      
23 飲み物をこぼさずにコップにつげる 4/5回以上      
24 飲み物をストローから飲める 4/5回以上      
25 飲み物をコップからこぼさずに飲める 4/5回以上      
26 お盆をテーブルへ運べる 4/5回以上      
27 食べ残しを残飯入れに片づけられる 4/5回以上      
28 紙ナプキンを使って口をふける 4/5回以上      

情緒的スキル
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 笑顔で登校し、ぐずることなく教室へ入る 4/5回以上      
2 次の教具を、一人で、他の子どもを妨害することなく、使える
 (1)ブロックやレゴ
 (2)パズル
 (3)クレヨンやマジック
 (4)ねんど
 (5)人形
 (6)本
5分間以上      
3 集団でお話が聞ける 5分間以上      
4 自由時間に、本を読んで欲しいと頼める 1回/日以上      
5 自由時間に、自分から本を読める 1回/日以上      
6 音楽にあわせて、歌を唄ったり、楽器で音をならせられる 4/5回以上      
7 学校や他の子どもや教師の悪口を言わない 1回/日以下      
8 笑うべき時には笑う 4/5回以上      
9 怪我をしたり病気のときには、泣いたり、痛みを知らせる表情をする 4/5回以上      
10 課題をするような指示があったときに泣いたり、癇癪をおこさない 1回/日以下      
11 自傷行動をおこさない 1回/日以下      
12 他の子どもと一緒に楽しそうに遊ぶことができる 5分間以上      
13 指示があれば教師の行動を模倣できる
 (1)身ぶり手振り
 (2)物の使い方
4/5回以上      
14 握手などの身体接触を
 (1)教師や他の子どもに対して、適切な場面で行える
 (2)見知らぬ人に対しては行わない
4/5回以上      

認知スキル(「同じ」の概念)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 同じ色のものを指させる
 例:赤いりんご+「同じ色はどれ?」→赤い物を指さす
4/5回以上      
2 同じ形のものを指させる
 例:四角+「同じ形はどれ?」→四角を指さす
4/5回以上      
3 同じ物を指させる
 (1)同一の立体
 例:きゅうりの模型+「同じのはどれ?」→きゅうりの模型を指さす
 (2)立体から絵(写真)
 例:きゅうりの模型+「同じのはどれ?」→きゅうりの絵を指さす
 (3)絵(写真)から立体
 例:きゅうりの絵+「同じのはどれ?」→きゅうりの模型を指さす
 (4)絵(写真)から絵(写真)
 例:きゅうりの絵+「同じのはどれ?」→きゅうりの絵を指さす
4/5回以上      
4 同じ種類の物を指させる
 例:白い犬の絵+「仲間はどれ?」→ブチ犬の絵
4/5回以上      
5 見本ブロック同じようにブロックを組み立てられる 4/5回以上      
6 見本と同じように線を引ける 4/5回以上      
7 見本と同じように字が書ける 4/5回以上      
8 音を聞いて文字が書ける
 (1)ひらがな(あーん)
 (2)カタカナ(アーン)
 例:「あ、ひらがなで書いて」→[あ]と書く
4/5回以上      
9 指で机やタンバリンなどを一定のリズムでたたいたのをまねして同じリズムでたたく
 例:タタターンタタ→タタターンタタ
4/5回以上      



  査定項目 目標 初回 経過 最終
10 単語を見て、絵を指さす
 例:[いぬ]+「これはどれ?」→犬の絵を指さす
4/5回以上      
11 字を見て、字を指さす
 (1)ひらがな(あーん)
 (2)カタカナ(アーン)
 例:[あ]+「これはどれ?」→[あ]を指さす
4/5回以上      
12 単語を見て、単語を指さす
 (1)ひらがな(あーん)
 (2)カタカナ(アーン)
 例:[いぬ]+「これはどれ?」→[いぬ]を指さす
4/5回以上      
13 絵を見て、同じ様な絵を指さす 4/5回以上      
14 単語を聞いて、絵を指さす 4/5回以上      
15 単語を見て、絵を選ぶ 4/5回以上      
16 絵を見て、単語を選ぶ 4/5回以上      
17 字を見て、読む
 (1)ひらがな(あーん)
 (2)カタカナ(アーン)
 例:[あ]+「これは?」→「あ」と言う
4/5回以上      
18 単語を見て、読む 4/5回以上      
19 音を聞いて、文字を選び、読む
 (1)ひらがな(あーん)
 (2)カタカナ(アーン)
 例:「あ、はどれ?」→[あ]を指さし、「あ」と言う
4/5回以上      
20 単語を聞いて、単語を選び、読む
 (1)ひらがな
 (2)カタカナ
 例:「いぬ、はどれ?」→[いぬ]を指さし、「いぬ」と言う
4/5回以上      
21 小学1年生の国語の教材を音読する 100字/分以上      

認知スキル(「同じ数」の概念)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 見本と同じ数になるように、物をあつめる(1-10)
 例:ウシ二頭+「同じ数だけウシを集めて」→ウシ二頭を集める
4/5回以上      
2 数字を見て、同じ数字を選ぶ
 例:[2]+「これと同じのは?」→[2]を選ぶ
4/5回以上      
3 いくつか集められた物を見て、その個数の数字を選ぶ
 例:クルマ5台+「いくつ、ある?」→[5]を選ぶ
4/5回以上      
4 数字を聞いて、数字を選ぶ
 例:「3はどれ?」→[3]を選ぶ
4/5回以上      
5 数字を聞いて、その数字の個数だけ集められた物を選ぶ
 例:「2つあるのはどれ?」→トマト2つのカードを選ぶ
4/5回以上      
6 数字を見て、数字を読む(1-20)
 例:[6]+「これはいくつ?」→「ろく」と言う
4/5回以上      
7 物の数を数える(1-10)
 例:キュウリが3本ある絵+「いくつあるか、数えて」→「1,2,3」と言う
4/5回以上      

認知スキル(一般的知識)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 自分の写真を指さす
 例:「〜ちゃんの写真はどれ?」→自分の写真を指さす
4/5回以上      
2 自分の名前を指さす
 例:「〜ちゃんの名前はどれ?」→自分の名前が書かれたカードを指さす
4/5回以上      
3 学校でよく使うもの(15種類)を指さす
 例:「黒板はどれ?」→黒板を指さす
4/5回以上      
4 家庭でよく使うもの(15種類)を指さす
 例:「タオルはどれ?」→タオルを指さす
4/5回以上      
5 2つのものを比較して指さす
 (1)大きい/小さい
 (2)高い/低い
 (3)いっぱい/から
 (4)重い/軽い
 (5)長い/短い
 (6)硬い/やわらかい
 (7)ざらざらの/なめらかな
 例:大きいコップと小さいコップ+「どっちが大きい?」→大きいコップを選ぶ
4/5回以上      
6 色の名前を言う(10色)
 例:緑の葉っぱ+「これは何色?」→「みどり」と言う
4/5回以上      
7 形の名前を言う(まる、三角、四角、台形、菱形、楕円) 4/5回以上      
8 体の部分の名前を言う(目、鼻、口、頭、足、腕、髪の毛、耳、手)
 例:耳を指さして+「ここはなに?」→「みみ」と言う
4/5回以上      
9 家の中の部屋の名前を言う(台所、玄関、トイレ、応接間など) 4/5回以上      
10 学校の中の部屋の名前を言う(玄関、トイレ、教室、職員室など) 4/5回以上      
11 聞かれたら、自分の氏名、年齢、住所、電話番号、誕生日を言える 4/5回以上      
12 写真の中の物の名前を言える(人、木、クルマ、ねこ、など) 4/5回以上      
13 物や絵を分類する(学校、交通、衣服、動物、家具、おもちゃなどのカテゴリーで)
 例:各カテゴリー、5つぐらいの絵カード+「仲間同士、集めてみよう」→カードを分類する
4/5回以上      



  査定項目 目標 初回 経過 最終
14 家族の写真を見て、自分との関係(おとうさん、おかあさん、いもうとなど)を言う 4/5回以上      
15 絵を見て、代表的な祝日の名前を言う(お正月、ゴールデンウィーク、お盆、クリスマスなど) 4/5回以上      
16 写真を見て、近所の人や学校の先生の氏名と関係を言う 4/5回以上      
17 絵を見て、四季の名前を言う 4/5回以上      
18 曜日の名前を言う 4/5回以上      
19 絵を説明する中で、以下の副詞を適切に使う
 (1)上に/下に
 (2)右に/左に
 (3)横に/後ろに
 (4)中に/外に
 (5)前に/後ろに
 例:ミッキーがミニイちゃんの右横に座っている絵+「ミッキーは、ミニイちゃんのどちら側に座っている?」→「みぎ」と言う
4/5回以上      
20 何かを要求するときに、以下の副詞を適切に使う
 (1)上に/下に
 (2)右に/左に
 (3)横に/後ろに
 (4)中に/外に
 (5)前に/後ろに
 例:一緒にブロック遊びをしていて+「これは、どこに置くの?」→「ここの上において」と言う
4/5回以上      
21 硬貨や紙幣の名前を言える(1円玉、5円玉、10円玉、100円玉、500円玉、千円札、五千円札、一万円札) 4/5回以上      



  査定項目 目標 初回 経過 最終
22 物語になっている絵を順番に並べる
 (1)2コマ
 (2)3コマ
 (3)4コマ以上
4/5回以上      
23 何かが足りない絵から、欠けているものを言える
 例:タイヤのないクルマの絵+「何がない?」→「タイヤ」と言う
4/5回以上      
24 仲間外れを選ぶ
 例:いちご、バナナ、ミカン、コップの絵カード+「どれが仲間外れ?」→「コップ」と言う
4/5回以上      
25 絵の中で矛盾していることを指摘する 4/5回以上      
26 よくある組み合わせの相方を選ぶ
 例:とんかちの絵+「仲間は?」→くぎの絵を選ぶ
4/5回以上      
27 絵から性別を言う(いろいろな年齢で)
 例:おばあさんの写真+「これは、女の人?男の人?」→「女の人」
4/5回以上      
28 大きさによってものを並べる(小→大、大→小)
 例:大、中、小、3つのボール+「小さい順に並べて」→小さい順に並べる
4/5回以上      

認知スキル(読字)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 聞いて選ぶ
 (1)50音→ひらがな/かたかな(1文字)
 (2)数→数字
 (3)単語→ひらがな/かたかな(単語)
 例:「か、はどれ?」→[か]を選ぶ
4/5回以上      
2 50音を順に言う 4/5回以上      
3 文字を音読する
 (1)ひらがな(あーん)
 (2)カタカナ(アーン)
 例:[む]+「何て読むのかな?」→「む」と言う
4/5回以上      
4 単語を見て読む
 (1)ひらがな/かたかな(単語)
 (2)簡単な漢字
 例:[上]+「何て読むのかな?」→「うえ」と言う
4/5回以上      
5 文を見て読む(適切なリズムとイントネーションで)
 (1)ひらがな/かたかなのみ
 (2)簡単な漢字が混じった文
4/5回以上      
6 短いお話を読む
 (1)幼稚園レベル
 (2)小学1年レベル
4/5回以上      
7 短いお話を読んで、質問に正しく答える
 (1)絵を見ればわかる質問
 例:『うさぎとかめ』の絵本を読んで聞かせて→「途中で、寝ていたのは、誰?」→「うさぎ」と言う
 (2)文を読まないとわからない質問
 例:『うさぎとかめ』の絵本を読んで聞かせて→「どうして、うさぎさんは途中で寝たのかな?」→「勝てると思ったから」と言う
4/5回以上      
8 読んだお話を、他の子どもに伝えられる 内容を正確に      

認知スキル(数的概念)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 数える(数字を順番に言う)
 (1)1-10
 (2)1-100
 (3)偶数(2ごと)2,4,6,8,...,28,30
 (4)5とび(5ごと)5,10,15,20,...,95,100
 (5)10とび(10ごと)10,20,30,...,90,100
4/5回以上      
2 物の数を数える
 (1)1-10
 (2)1-20
4/5回以上      
3 数の大きさを判断する
 (1)〜より大きい数はどれ?
 (2)〜より小さい数はどれ?
 例:1,3,7,9の数字カード+「5より大きいのはどれ?」→7と9の数字カードを選ぶ
4/5回以上      
4 次の数を言う(〜の次は何?)
 (1)1-10
 (2)1-20
4/5回以上      
5 数字カードを1から順に指さす 4/5回以上      
6 数字カードを1から順に指さしながら、音読する
 例:数字カード1-10+「順番に指でさして、数字を言ってごらん」→「(指しながら)、1,2,3,..」

4/5回以上

     
7 物の数を数え、
 (1)いくつあったか言う
 (2)いくつあったか数字カードを指さす
4/5回以上      
8 要求された数だけ、物をわたす
 (1)「全部、ちょうだい」
 (2)「両方、ちょうだい」
 (2)「どちらか、ちょうだい」
 (4)「〜個ちょうだい」(1-10)
4/5回以上      
9 数字をなぞって書く(1-10) 4/5回以上      
10 2つに分けられた物を一緒にして、全部でいくつあるか言う(合計10以下) 4/5回以上      
11 2つの数字を足していくつになるか言う(合計10以下) 4/5回以上      
12 複数の物から何個かとり、残りの数を言う(2-10) 4/5回以上      
13 2つの数字を引いていくつになるか言う(2-10) 4/5回以上      

認知スキル(ワークシートの遂行)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 自分の名前を書ける 4/5回以上      
2 次の指示に従える
 (1)「○をつけなさい」
 (2)「下線をひきなさい」
 (2)「×をつけなさい」
 (4)「色を塗りなさい」
 (5)「〜から〜まで線を引きなさい」
 (6)「点線をなぞりなさい」
 (7)点と点を線で結びなさい
 (8)「仲間はずれはどれ?」
 (9)数を並べなさい(小さい順に)
 (10)文字を並べなさい(50音順に)
 (11)絵を並べなさい(時間の流れで)
4/5回以上      

コミュニケーションスキル(聞き手として)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 指示されたとき、10秒以上、静かに座っていられる 4/5回以上      
2 「こっちを見て」と言われたとき、1秒以内に視線を合わせ、1秒以上保持する 4/5回以上      
3 手振り身振り(ジェスチャー)を模倣する
 (1)1ジェスチャー
 (2)2つのジェスチャーの連続
 (3)3つ以上のジェスチャーの連続
 例:「まねしてみて」+耳、鼻、頭の順にさわる→耳、鼻、頭の順にさわる
4/5回以上      
4 対面指導場面で教師の指示に従う
 (1)1ステップの指示(「〜して」)
 (2)2ステップの指示(「〜してから〜して」)
 例:「お座りして、手は膝の上」→椅子に座り、手を膝の上におく
 (3)3ステップ以上の指示に従う
4/5回以上      
5 集団指導場面で教師の指示に従う
 (1)1ステップの指示(「〜して」)
 (2)2ステップの指示(「〜してから〜して」)
 (3)3ステップ以上の指示に従う
4/5回以上      
6 言語指示に従って行動する
 例:「座って」→座る
4/5回以上      
7 複数の物の名前(2-5個)を含んだ言語指示に従う
 例:「コップと歯ブラシと歯磨きをもってきて」→持ってくる
4/5回以上      

コミュニケーションスキル(話し手として)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 音声模倣できる
 (1)単語
 例:「ねこ」→「ねこ」と言う
 (2)短文
4/5回以上      
2 不適切な音声模倣(自己模倣、過剰模倣など)をしない 1回/日以下      
3 要求できる
 (1)単語のみで、物、人、動作などを要求できる
 (2)単語+「下さい」で要求できる
 (3)「〜とって下さい」「〜して下さい」のような形式で要求できる
4/5回以上      
4 課題に従事したくないときは、癇癪を起こさずに、課題の中止を要求できる (癇癪が)
1回/日以下
     
5 表現できる
 (1)単語のみで、物、人、動作などを表現できる
 例:人形+「これは何?」→「お人形」
 (2)「〜がきた」「〜がある」のような形式で表現できる
4/5回以上      
6 表現できる
 (1)単語のみで、物、人、動作などの絵や写真を表現できる
 (2)「〜がきた」「〜がある」のような形式で表現できる
4/5回以上      
7 質問できる(身の回りの物、人、動作などについて)
 例:「ママはどこ?」
4/5回以上      
8 自分が何をしているか説明できる
 例:「何しているの?」→「遊んでいるの」
4/5回以上      
9 相手が何をしているか説明できる
 例:「パパは、何しているでしょう?」→「テレビみてる」
4/5回以上      
10 所有者を表す形容詞を使って表現できる
 例:「これは何?」→「ぼくのおもちゃ」
4/5回以上      

コミュニケーションスキル(話し手として)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
11 「〜してみせて」と言われた行動を実行できる
 例:「さぁ、歩きましょう」→歩く
4/5回以上      
12 絵を見て、朝、昼、夜の区別ができる
 例:ベッドの絵→「夜」
4/5回以上      
13 学校でしてきたことを言う
 (1)単語で
 (2)複数の単語で
 (3)文で
 例:「今日は学校で何をしたの?」→「お絵かきしたの」
4/5回以上      
14 多く/少なくを要求できる
 例:ごはんをよそうとき→「もっとちょうだい」
4/5回以上      
15 多く/少ないを説明できる
 例:たけしくんのおべんとうを見て→「たけしくんのおべんとう、ごはんが少ないね」
4/5回以上      
16 過去形を使って説明できる
 例:「どこにいたの?」→「お庭にいたの」
4/5回以上      
17 未来形を使って説明できる
 例:「ご飯食べたら何するの?」→「テレビみるの」
4/5回以上      
18 顔の絵を見て、その表情から感情を類推する
 例:怒り顔→「おこってる」
4/5回以上      

コミュニケーションスキル(質問に答える)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 聞かされたお話についての質問に、文で答えられる
 例:
4/5回以上      
2 質問に対して「はい」「いいえ」で答えられる
 例:「今日はパパが送ってきてくれたの?」→「はい」
4/5回以上      
3 質問に対して、分からないときには、「わかりません」「なんですか」と答えられる 4/5回以上      
4 動物の鳴き声をまねできる
 例:「猫はどんなふうになく?」→「ニャー」
4/5回以上      
5 「〜で何するの?」の質問に答えられる
 例:「鉛筆で何するの?」→「字を書くの」
4/5回以上      
6 「〜ならどうするの?」の質問に答えられる
 例:「お腹がへったらどうするの?」→「食べるの」
4/5回以上      
7 「〜には何がいるの?」の質問に答えられる
 例:「寝るときには何がいるの?」→「おふとん」
4/5回以上      
8 数枚の絵からなるお話を、絵だけを見て言える 4/5回以上      
9 他の子どもに紙芝居/絵本を読んであげられる 4/5回以上      
10 「〜はどうして起こるの?」といった理由を聞く質問に答えられる
 例:「どうして遅れたの?」→「寝坊しちゃった」
4/5回以上      

コミュニケーションスキル(生活の会話)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 誰かが助けてくれたときに、「ありがとう」と言える 4/5回以上      
2 挨拶されたら、挨拶できる
 (1)「おはようございます」→「おはようございます」
 (2)「こんにちわ」→「こんにちわ」
 (3)「こんばんは」→「こんばんは」
4/5回以上      
3 自分から挨拶できる
 (1)朝なら、「おはようございます」
 (2)昼なら、「こんにちわ」
 (3)夜なら、「こんばんは」
4/5回以上      
4 挨拶をするとき、相手の名前も言う
 例:「久保田先生、おはようございます」
4/5回以上      
5 別れの挨拶が言える
 例:「さようなら」
4/5回以上      
6 別れの挨拶をするとき、相手の名前も言う
 例:「たけしくん、さようなら」
4/5回以上      
7 他の子どもに「一緒に遊ぼう」と言える 4/5回以上      
8 必要なとき、助けを求められる
 例:「手伝って下さい」
4/5回以上      
9 よく唄われる歌のサビを歌える
 例:「さいた、さいた、チューリップの」→「花が」
4/5回以上      
10 「何が」「どこに」「いつ」「誰が」「どうやって」で質問できる 4/5回以上      
11 他の人が話をしているときに、割り込まない (割り込むの)1回/日以下      
12 他の子どもと、けんかすることなく、会話を続けられる 3分間以上      
13 他の子どもとの会話の中で、相手を誉められる
 例:「かっこいいね」
4/5会話以上      
14 自分の心理的、生理的な状態を言葉で伝えられる
 例:「おなかがすいた」「歯が痛い」
4/5回以上      
15 状況に適した声の大きさで話す
 例:庭で遊んでいるとき→大きな声で
   教室で誰かが勉強しているとき→小さな声で
4/5回以上      
16 不適応な言語行動を頻発しない
 例:エコラリア(反響言語)
1回/日以下      

動作スキル(創作活動)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 鉛筆やクレヨンを適切に持てる --      
2 鉛筆やクレヨンを適切に持ち、紙に線が描ける --      
3 鉛筆やクレヨンで、○や+、Zなどの記号を模写できる 4/5回以上      
4 鉛筆やクレヨンで、線をなぞれる 4/5回以上      
5 鉛筆やクレヨンで、人の絵が描ける(目の数や鼻の位置などが正確であること) 4/5回以上      
6 鉛筆やクレヨンで、簡単な絵が描ける --      
7 自分の名前が書ける
 (1)点線をなぞって
 (2)見本を見ながら
 (3)点線も見本もない状態で
4/5回以上      
8 ハサミを適切に持てる --      
9 ハサミで
 (1)紙に切り込みを入れられる
 (2)紙を半分に切れる
 (3)線をなぞって切れる
4/5回以上      
10 ハサミで図形を切り取れる
 (1)線をなぞって切り取れる
 (2)見本だけで切り取れる
 (3)言語指示さけで切り取れる
4/5回以上      
11 ビーズを糸に通していける 4/5回以上      
12 マグネットをホワイトボートにつけられる 4/5回以上      
13 ブロックで何かを組み立てられる 4/5回以上      
14 糊で紙を張り付けられる 4/5回以上      
15 水彩道具を使って絵が描ける 4/5回以上      

動作スキル(運動)
  査定項目 目標 初回 経過 最終
1 一人で、両足で、立っていられる 5秒以上      
2 一人で、片足で、立っていられる 3秒以上      
3 安定した足どりで歩ける 10歩以上      
4 おもちゃなどを取るのに、しゃがめる 4/5回以上      
5 後ろ向きで、歩ける 5歩以上      
6 爪先立ちで、歩ける 3歩以上      
7 階段を、レールを持ちながら、
 (1)いつも同じ足を登りに使って、登れる
 (2)両足を交互に使って、登れる
4段以上      
8 階段を、レールを持ちながら、
 (1)いつも同じ足を登りに使って、下れる
 (2)両足を交互に使って、下れる
4段以上      
9 片足で、跳ねられる 3歩以上      
10 両足で、踏み台から飛び降りられる 4/5回以上      
11 両足で、踏み台への飛び乗り、飛び降りを繰り返せる 3回以上      
12 スキップできる 5歩以上      
13 ボールを
 (1)転がせる
 (2)他の人などに向かって転がせる
4/5回以上      
14 転がってきたボールを受けとめられる 4/5回以上      
15 ボールを、他の人に向かって投げられる
 (1)下手投げ
 (2)上手投げ
4/5回以上      
16 他の人から投げられたボールを受けとめられる
 (1)バウンドしたボール
 (2)ノーバウンド
4/5回以上      
17 他の人とキャッチボールできる 4/5回以上      
18 ボールを蹴れる
 (1)足下にあるボール
 (2)3歩以上、助走をつけてから
 (3)転がってきたボール
4/5回以上      
19 水の入ったコップを、こぼさずに運べる 1m以上      
20 物を押したり、引いたりできる --